ヒアルロン酸注入の血管塞栓とは?初期症状・高リスク部位・安全対策を医師が解説

施術後の症状でお困りの方へ

ヒアルロン酸注入後に、強い・強まる痛み、皮膚が白くなる、網目状の紫色変化、急な視力低下・見えにくさ・複視、まぶたが下がる、強い頭痛や神経症状などがある場合は、施術を受けた医療機関へ直ちに連絡してください。視覚の異常や神経症状がある場合は、救急医療機関での迅速な評価が必要です。

先に結論

血管塞栓は、ヒアルロン酸が血管内に入る、または周囲から血管を圧迫することで血流が妨げられる合併症です。発生頻度は高くありませんが、皮膚障害や、まれに視覚障害など重い結果につながる可能性があります。顔面の解剖の理解、部位に応じた注入計画、少量ずつの慎重な注入、施術中・施術後の観察、異常時の速やかな対応によってリスク低減を図りますが、どの手技でもリスクを完全にゼロにすることはできません。

ヒアルロン酸注入の血管塞栓とは

ヒアルロン酸注入による血管塞栓は、注入物が血管内へ入る、または注入物によって血管が圧迫され、血流が低下・停止する状態です。血流が保たれない時間が続くと、皮膚や周辺組織に障害が起こる可能性があります。

また、顔面の一部の血管は眼周囲の血管とつながっています。非常にまれですが、注入物が血流を介して眼の血管に影響した場合、視覚障害につながる可能性があります。発生率だけでなく、起きた際の重症度を理解し、施術前にリスクと対応体制を確認することが大切です。

ヒアルロン酸注入後に注意したい血流障害の説明

血管塞栓で注意したい初期症状

症状は施術中から現れることもあれば、施術後しばらくして目立つこともあります。痛みの感じ方には個人差があり、早期に強い痛みがない場合もあるため、皮膚色や見え方の変化も含めて確認します。

症状 確認するポイント 行動
痛み 強い痛み、時間とともに増す痛み、通常と異なる痛み 施術を受けた医療機関へ直ちに連絡
皮膚色 白くなる、まだら・網目状の紫色、暗い色への変化 写真だけで判断せず、速やかに診察を受ける
視覚・神経症状 見えにくい、視力低下、複視、眼痛、まぶたが下がる、強い頭痛など 救急医療機関での迅速な評価が必要

通常の腫れや内出血との区別をご自身だけで行うのは難しい場合があります。「いつもと違う」「悪化している」と感じたら、様子を見続けず、施術を受けた医療機関へ連絡してください。

リスクに注意が必要な部位

顔には重要な血管が立体的に走行しており、個人差もあります。特に鼻、眉間、額、こめかみ、鼻唇溝周辺などは、血管走行と注入層を慎重に検討する必要があります。ただし、表にない部位が「安全」という意味ではありません。

部位 注意する理由
鼻・眉間・額 眼周囲へつながる血管との関係を考慮する必要があります。
こめかみ 複数の血管・神経・組織の層を見極める必要があります。
鼻唇溝・口周囲 顔面動脈の走行には個人差があり、注入位置と深さの検討が必要です。

施術前に確認したい4つの安全対策

使用する針やカニューレの種類だけで安全性が決まるわけではありません。どの器具・手技にも限界があり、部位や注入層、製剤、注入量などを組み合わせて判断します。

1.解剖と注入計画

部位ごとの血管走行、組織の層、骨格や左右差を踏まえて計画します。

2.量・圧・速度への配慮

必要に応じて少量ずつ、圧や速度に配慮しながら注入します。

3.部位に応じた器具選択

針・カニューレを目的や部位に応じて選択します。いずれもリスクを完全に排除するものではありません。

4.観察と異常時対応

痛み、皮膚色、視覚症状などを確認し、異常が疑われる場合に速やかに評価・対応できる体制を整えます。

当院で行う確認と異常時の対応体制

当院では、施術前に既往歴、アレルギー歴、過去の注入歴、使用した製剤などを確認します。施術中は痛みや皮膚色などの変化を観察し、施術後に注意すべき症状と連絡方法をご案内します。

血管塞栓が疑われる場合は、状態を評価し、ヒアルロニダーゼの使用を含む対応や、症状に応じた医療機関との連携を検討します。視覚症状や神経症状がある場合は、専門的な緊急評価が必要です。

光伸メディカルクリニックの診療環境

カウンセリングで確認しておきたいこと

  • 希望する部位にどのようなリスクがあるか
  • 使用する製剤名、注入量、注入する層
  • 起こり得る副作用・合併症と、異常時の連絡方法
  • 施術後にどの症状があれば、すぐに受診すべきか
  • 緊急時にどのような評価・連携を行うか

ヒアルロン酸注入の一般的なリスク・副作用

赤み、腫れ、痛み、圧痛、内出血、むくみ、しこり、左右差、感染、アレルギー反応などが生じることがあります。まれに血管塞栓、皮膚障害、視覚障害などの重い合併症が起こる可能性があります。リスク、経過、必要な施術回数には個人差があります。

よくあるご質問

カニューレを使えば血管塞栓は起こりませんか?

カニューレにも利点と限界があり、血管塞栓のリスクを完全になくすものではありません。部位や目的に応じて器具、注入層、量、圧、速度などを総合的に判断します。

血管塞栓は施術直後だけ注意すればよいですか?

施術中・直後に症状が出ることがありますが、時間がたってから変化が目立つ場合もあります。悪化する痛みや皮膚色の変化、視覚異常などがあれば、速やかに連絡・受診してください。

他院で注入した後の症状も相談できますか?

ご相談いただけます。ただし、強い痛み、皮膚色の急な変化、視覚・神経症状など緊急性が疑われる場合は、まず施術を受けた医療機関または救急医療機関へ直ちに連絡してください。

施術前の一般的なご質問がある方へ

ヒアルロン酸注入の施術内容、費用、カウンセリングについての一般的なご質問は、メールでお問い合わせください。内容はクリニックスタッフが確認し、必要に応じて院内で共有のうえご案内します。

注入後に強い痛み、皮膚色の変化、視覚の異常、神経症状がある場合は、メールの返信を待たず、施術を受けた医療機関または救急医療機関へ連絡してください。

お問い合わせ先
inquiry-3366@kmcl.jp

診療時間内に順次確認し、クリニックよりご案内します。

ヒアルロン酸注入について診察を希望する方へ

ご希望と不安に感じている点を伺い、施術の適応、方法、リスク、費用をご説明します。相談後に施術を受けない選択も可能です。

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監修・ドクター紹介

光伸メディカルクリニック院長 中村光伸

中村 光伸 院長

整形外科の診療経験を背景に、顔面の骨格や筋肉、脂肪などを確認しながら、ヒアルロン酸注入の診療と医師向けの技術指導に取り組んでいます。

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